円板状半月(discoid lateral meniscus: DLM)とは、
通常の形態とは異なる円板状の外側半月のことである


完全・不完全円板状半月
完全円板状半月…円板状に脛骨軟骨面全体を覆っている
不完全円板状半月…脛骨軟骨面の被覆率が80%未満のもの
頻度
アジア人で多く、日本人では30%ほどと報告がある
80%が両側性で、症状をきたすのは半分程度と推測されている
DLMの組織学
難しい話はしないが、少し触れておく
正常の半月板と比較して、DLMはコラーゲン線維の配列が不規則で、かつ疎である
少し詳しく述べると
大腿骨側(femoral surface)は密で整頓した配列
脛骨側(tibial surface)では線維配列が不整
中央層(central layer)は中央付近(central layer)は放射状に線維が伸び関節包に固着している。
さらにその中央層は配列が不整な内側中央と、円周状に配列している外側中央に分けられる。
↓
このことよりDLMの切除の際にはこの外側中央を温存することが望ましいとされている。
DLMの診断
症状
通常の半月板損傷と同様、膝関節痛、引っかかり、ロッキングなど引き起こす
画像診断
ゴールデンスタンダードはやはりMRI
しかし成長期のDLMは血流による信号変化か、損傷による変化か診断が難しいことを頭に入れておく必要がある。
Xpに関して
また高い有病率から、Xpでのスクリーニングも必要と考えられており、いくつかの特徴的な画像所見についても報告がある
・外側関節裂隙の開大、大腿骨外側顆LFCの平坦化、脛骨外側顆の陥凹、腓骨頭高位、顆間隆起の低形成などが挙げられる。
下の
画像がわかりやすかったので、掲載させていただく。Aが正常膝、B、CがDLM膝である。

Radiographic evaluation of complete and incomplete discoid lateral meniscus.Jae Gwang Song より
治療
症状をきたす場合、DLMの中央部分を形成的切除するのが一般的
外縁から5〜8mmほど残す場合がほとんどである。
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